たまり の心の日記から 第1話 仕事と新婚のはざまで

【当時の状況】

1994年11月。28歳の私は同期入社の彼と一年半のおつきあいを経て花嫁に。結婚式では多くの人に祝福され、順風満帆な我が人生を一層前向きに生きる希望でいっぱいでした。

もともと仕事が忙しかった二人は結婚後ますます多忙を極め、お互いを励まし合いながら1年が過ぎた1995年12月のこと。夫は私の元に帰宅しませんでした。朝帰りはそれからも何度となく続き、1996年2月のある晩、私は夫が同じ会社の女性と浮気をしている事実と、彼に離婚の意思があることを知ったのでした。その時、挙式からまだ1年と3ヶ月の新妻でした。

【当時を振り返って】

「自分の夫に限って…」というのが疑惑を感じた瞬間の気持ちでした。当時の私には、「こんなに頑張って仕事をして、帰宅の遅い日でも家事をやって待っているのに、何が不満なの?」という発想しか浮かびませんでした。

思えば、結婚準備を始めた挙式半年前位から、仲は良かったのですが、お互い結婚後の夢も語らず、現実も目の前の必要なこと以外はろくに話し合うことのない二人になっていました。

私は夫への相談もせずに「私は旧姓のまま仕事を続けます」と周囲に言っていましたし、「お子さんは?」と聞かれても二人ともその場しのぎの返答だけで、近い将来のビジョンを相談し合うことのないまま忙しさに流されていました。

育った環境から、家庭方針は一家の主が決めるものだと私は思い込んでいましたし、再婚で経験豊富であるはずの夫から何も言い出さないことに不満を抱き、それでも自分からは何も提案はしない、依存型のとってもイヤな女だったなぁと思います。

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